「それはない」

簡易のベッドに腰掛けたまま、三浦は断言した。

「どうしてっ?ディアボがいなくなったとしても?」

「…ディアボが争いを生み出している訳じゃない…争いを作っているのは人間だ」

麗華の言葉に、答える三浦。

「民族、国境、宗教、資源、差別、偏見…世界に人間が存在する限り、火種になるものも幾らでも存在する。他人を自分の思い通りにしたい…そんな欲望がなくならない限り、戦争も永遠になくならない…世界のどこかで、また誰かが撃たれて、誰かが死んでいく…」