大きく振りかぶり、右の鎖分銅を振り下ろす生体兵器!

棘付き鉄球が、小川の88式鉄帽を掠める!

「ぐっ…!」

掠っただけでも軽い脳震盪を起こすほどの威力。

小川がよろめく。

そこへ生体兵器の右のバール!

鋭い切っ先が、小川の胸板を裂く!

「小川分隊長!」

鮮血に染まる迷彩服3型に、麗華が思わず悲鳴を上げる。

しかし。

「ぬ…ぐぅ…!」

小川は何とか踏み止まり、倒れる事を拒否する。

その視線は。

「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」

荒い呼吸をしながらも、生体兵器の胸にある縫合痕を睨んでいた。