作戦は始まった。

一度来た構内を再び単独で戻っていく小川。

…暗闇の中、構内に呻き声とも悲鳴ともつかない声が響く。

見ればディアボの群れと生体兵器が、今も乱戦の真っ最中だった。

銃火器を持ったディアボの攻撃を意に介さず、次々と蹂躙していく生体兵器。

その頑強さが窺える。

しかしそれもここまでだ。

小川は89式小銃の銃口に取り付けた06式小銃擲弾を、生体兵器とディアボの群れ目掛けて発射する!

小型の成形炸薬弾と調整破片による対軽装甲及び対人用の榴弾である06式小銃擲弾は、狭い構内で爆発し、生体兵器とディアボの群れを巻き込む!

駄目押しにもう一発06式小銃擲弾を銃口に取り付け、発射する小川。

その爆発の中から。

「!!」

全身に炎を纏った生体兵器と、生き残ったディアボの群れが接近してくる!