そして何より、小川や小暮が武装偵察部隊の潜入だと睨んでいる理由。

それは武装偵察部隊の任務の一つに『生物兵器や化学兵器の有無の確認』があるからだ。

「生物兵器の有無の確認って…カマドウマは生物兵器じゃないんですよね?それは戦術自衛隊のHQも確認したって…」

麗華が首を傾げる。

「ああ…その通りだ…だが…」

そこまで言って、押し黙る小川。

彼が一体何を考えているのか、武装偵察部隊の潜入の目的は一体何だったのか。

まだ戦術自衛隊の隊員として経験の浅い豊田や麗華には、推し量る事はできない。