谷口、小暮が先導・支援を繰り返し交互に前進、お互いに前方全域を警戒し、小川は分隊統制及び両側面警戒、豊田、麗華は後方警戒に当たる。

英陸軍特殊部隊SAS方式の基本フォーメーションをとりつつ進軍する小川分隊。

入念なクリアリングで安全を確保しつつ、彼らは遂に海水浄化施設跡に到達した。

複雑に入り組んだ配管が威圧感さえ感じさせる工場。

その配管の下、潮風のせいで赤茶色に錆びついた鉄扉の両サイドの壁に張り付き。

「……」

「……」

谷口と小暮がアイコンタクトで合図し合う。

素早く谷口が鉄扉を開け、すかさず小暮がM16を構えて入り口に立つ!

…既に電気は通っていないのか、真っ暗な施設内。

カビと埃の臭いだけが、内部に充満していた。