と。

「小川」

一人の会議参加者が挙手した。

「俺が行く」

そう言ったのは小川よりもやや年上、坊主頭の隊員だった。

小暮 健太朗(こぐれ けんたろう)。

階級は小川と同じ三等陸曹。

彼もまた分隊を率いる分隊長として被災地復興に尽力していたのだが…。

「この間の作戦で部下を全員殺られている…是非とも仇討ちの機会が欲しいと思っていた所だ」

会議中にもかかわらず煙草を咥えたまま、小暮は飄々と言ってのけた。