「─…っわ」
「─…あのっ」


二人の声が被った。


「あ、ごめん………」


「うん…」



「………悪かった」


イチゴくんはそっぽを向きながらぽつりと言った。


その顔は心なしか赤くなっているような気がして


さっきから速い鼓動が


さらに速くなった。


「や…私もごめん。ちゃんと、注意しなかったから…」


「怪我とかない?」


「ん、大丈夫。」


「そっか。じゃ仕事終わったから、戻ろう、か」


「うん。」




私たちは資料室をあとにした。