「そんなんじゃないんですけど… 最初は俺たちも先生が言ってることの 意味が理解できませんでした。 だから、それを新田と2人で 考えようとしたらいつの間にか 全員集まっちゃて…」 矢野さんが黒く澄んだ髪を 掻き上げながら言う。 こんな時ですら、 矢野さんはかっこいい。 そして、こんな時ですら、 そう思ってしまうあたしがいた。