このことは、さっき相川先輩と 矢野さんから聞いちゃった、秘密の話。 だから、あたしも知らないフリを貫くしかない。 「あんたさー、 なんで事情を聞かないわけ? 副部長として…」 相川先輩を責めたてる、 舞実さんの表情が突然固まった。 トランペットの後ろ、 音楽室の入口を振り返ると、 そこに立っていたのは新田さん。 そして、その後ろには2年生14人、 全員がついている。 「遅くなりした。」