何度目になるんだろう……なんでを繰り返して、驚きのあまり大翔君の寝顔を見たまま静止してしまった。
……綺麗な寝顔……。
普段は見上げることしかない大翔君をこんなに間近で見られる機会なんて滅多にないと、こんなことしてる場合じゃないのに無意識にその姿に見惚れてしまっていた。
「……見すぎ……」
突然しゃべったかと思ったら、眠そうな瞳が私を見ていた。
「お、おはよう……」
目が合っただけなのに、変に緊張して声が裏返って出てくる。
「ん。おはよ……」
普段、心地よく耳に届く聞き取りやすい大翔君の声は、寝起きのせいなのか少し掠れていた。
いつも私より早く起きてる大翔君のこんな姿を見るのは、本当に貴重で珍しくてついつい見入ってしまう。
「そんなに見つめて、俺の顔に穴が開いたらどうすんの」
「え。えぇ〜!? やっ、あの……それは困るというか」
「……っふ。冗談だよ。あんまり見てるから意地悪したくなっただけ」
まだ眠いのか、目を閉じてクスクス笑う大翔君につられて私も笑ってしまった。