「そうか? 俺はどんなまりやも好きだけど。俺の知らないまりやをこれからもっと見せて……。

……好きって、もう一度まりやの口から聞きたい」



「……っ!」



両想いになってから初めての甘い声でのお願いに、嫌なんて言えるわけない。



さっきは勢いで言っちゃったけど、改めてちゃんと言うってなると、こんなに緊張するの……?



恥ずかしさよりも、どんどん大きくなっていく鼓動。



もう一度ちゃんと自分の気持ちを伝えるために、大翔君から少し離れると真っ直ぐに見つめる。



うぅ……っ。緊張する……。



何も言わなくても、そこにいるだけでカッコよすぎる大翔君に見惚れそうになりながら、震える唇を何とか動かす。



「……好き……大翔君のことが……好き、です」



何とかそれだけ言い終えると、今度は緊張より堪らなく恥ずかしくなって、顔を隠すように大翔君の胸に埋める。



「可愛いすぎ……」



もう一度、大翔君の顔が近付いてきて、つい目をギュッと閉じて体に力を入れてしまう。



慣れてないせいか、こういう時どうしたらいいのかわからない。



私は初めてだらけだけど、大翔君は……慣れてるの、かな……。