それを見て、急に恥ずかしさが襲ってくる。
私……何してるんだろう……。
普通なら両想いになれて、泣いちゃうくらい嬉しいのに、夢じゃないって確かめるのに頬をつまむって……。
しかも大翔君が見てる目の前でやっちゃうとか、あり得ない。
自分でも何をやってるんだろうと落ち込んでいると、耳に優しい声が響く。
「まだ信じられない?」
その問いに迷うことなく首を大きく横に振る。
「信じられるよ……!
信じられるけど、両想いだなんて……夢見てるんじゃないかって思っちゃって……」
「夢じゃないだろ。
まりやはもう俺のいちばん大事な“彼女”なんだから」
“彼女”。
大翔君の口から直接聞けて、改めて自分が彼のたった1人の特別になれたんだと実感する。
今になって、嬉しい気持ちが溢れて涙が出てくるなんて……っ。
「……っふ……うぅ……っ」
今度は泣き始めた私をそっと抱きしめた大翔君は、おかしそうに小さく笑っていた。
「忙しいな、まりやは。でも、見てて全然飽きない」
「やだ……。これ以上、大翔君に変なところ見られたくない」