「……悪い。話が見えないんだけど、まりやの好きな奴って誰?」



こんな時まで意地悪するなんてっ。



「小さい頃からずっと好きだったの。大翔君のことが」



今の私はきっと真っ赤だ。もう……顔見せられない。



「……嘘、だろ」



また意地悪? これだけ言っても信じてもらえないなんて。



ここまで来たら覚悟を決めるしかないと勢いよく顔を上げる。



「だから……っ!」



だけど、それ以上は声に出して言えなかった。



だって、目の前にいる大翔君は右腕で隠してたけど、顔を赤くして照れていたから。



な、なんで……?



どうして大翔君がこんな真っ赤になってるの?



私の大翔君に対しての感情は、迷惑をかけるはずなのに、どうしてこんな反応してるの?



「あー……ヤバイ……っ。何か、カッコ悪……」



こんな勢いで告白したのは私で、恥ずかしくて真っ赤になるのも私のはずなのに、なんで……。



頭の中には、なんでが繰り返し回り続けるばかりで答えなんて見えてこない。