そのまま動けずにいると、あたしの携帯がなった。




「はい……えっ?」




嘘だ。



お母さんが死んだなんて嘘だよね?



電話はヨネダさんからだった。




母親が今さっき息を引き取ったって。



あたしが病院を出てすぐくらいに悪くなって、何度も電話をくれていたらしい。



あたしはその電話に出られなくて、母親の死に目に会えなかった。



あれほど看取りたいと思っていたのに。