誰も来てくれないと思っていた。



だけど俊平が来てくれて助かった。



もうそれだけでいい。



あたしは恨みなんてない。



だから、俊平が仕返しをする必要もない。




あたしは帰るために俊平を通りすぎ歩き出した。




「おい!雫!」




後ろから俊平の声が聞こえたけど振り返るつもりはなかった。



今度こそお別れをするつもりだった。



なのに後ろから俊平の彼女の大きな声が聞こえた。




「シュンさんっ!ねぇ!どうしたの?」




あたしはその声で振り返った。




えっ?なに?



………俊平?




あたしはその場で固まって動けなくなってしまった。