あたしは振り返って俊平を見た。



スエット姿の俊平はまだ息を切らしていた。




心配しないでって言ったのに、どうしてそんな息を切らしてやってくるの?



あたしのことなんかほっといてくれたらいいのに。





「雫、大丈夫か?怪我ねぇか?」




俊平はあたしに優しく問いかけながら近づいてきた。


そして、冷たい手であたしの頬にそっと触れてきた。



「大丈夫か?」


「うん」




俊平があまりに優しく聞くもんだから泣けてきそうだ。