「「っ、麗っ!」」
こちらに気づき、
あたしの名前を呼ぶ2人。
そんな2人を見た瞬間、
なぜかさっきまで焦りが
薄れていく。
少し冷静を取り戻したあたしは、
「…で、さっきのこと説明して」
ソファに座り
未だ動揺が治まらない竜聖に聞く。
「…俺たちが見たんだ」
…が、口を開いたのは浩貴だった。
「俺たちがここに来る途中で、
獣牙が族に攻められてるのを見た」
浩貴に続き、
口を開く智貴。
「…それで、様子は?」
静かにそう聞くと、
「…それが…」
言葉に詰まる智貴。
そんな智貴を
浩貴は一度見てから
「…大分まずそうだった。
ざっと1000人ってとこだな。
それに比べて、
獣牙は300人居ない感じだったし」
と、眉を寄せる。