「お兄ちゃん、苦しいよ」
そう言って、
お兄ちゃんの背中を叩けば
「はは、
会いに来てくれなかった麗が悪い」
いたずらな笑みで
あたしを離してくれる。
「お兄ちゃんこそ、
帰ってきてくれれば良かったのに」
見た目だけじゃなく、
中身も変わらないお兄ちゃんに
あたしも同じように笑ってみせる。
あたしとお兄ちゃんは
血が繋がっていない。
だけど、
同じように
お父さんが大好きで
お母さんが大好きで。
あたしのことも
妹として大切にしてくれる、
そんなお兄ちゃんが
あたしも大切で。
「最近仕事が忙しくてな。
悪かったよ。
…それで、
鬼神組のことか…?」