「…あたしにとって、
獣牙っていう
みんなの存在は
そんなもんなんかじゃない。
…あたしを助けてくれた優真。
あたしに笑顔を向けてくれる隼人。
あたしを"麗ちゃん"って
怖がらずに話かけてくれる遥。
あたしの過去を知った今でも、
"頼れよ"ってそう言ってくれる駿。
みんなが大切だから。
あたしが海龍って知った時、
みんなが離れていきそうで怖かった。
それと同時に、
あたしと関わったら
みんなが危険な目に遭うの
分かってたから。
…だから、
言えなかった。
大切だから
守りたいと思うし、
大切だから、
迷惑かけたくなかった。
あたしにとって、
獣牙のみんなは
手放したくないくらい
大切な存在なんだよ…」
その言葉を言い終えた瞬間に、
あたしの目からは
ぶわっと涙が溢れ出す。
そんなあたしに、
みんなは
優しく笑いかけてくれるから
あたしの涙は止まらなかった。