そして、




「…俺は、
 海龍にいっぱい助けてもらったよ。


 そんな海龍に
 ずっと憧れてた。

 ずっと"ありがとう"って
 そう言いたかった。





 …その左腕は誰を助けたせい?

 誰をかばったせい?


 
 俺たちだって、
 麗にいっぱい迷惑かけたんだ。






 なあ、麗。



 俺はお前みたいに強くない。


 …だけど、
 麗を仲間だと思って

 守りたいと思うのはいけないこと?

 頼ってほしいって思うのは
 いけないこと?




 

 …もっと、
 俺たちを頼れよ…。


 何でそんなに
 我慢して、強がってんだよ。



 
 "助けて"って、
 …泣いてんだよ。

 
 麗のその
 真っ黒な瞳が、


 "助けて"って
 痛いくらい叫んでんだよ…」







駿は苦しそうに
あたしを見つめた。