「…っ、」
海龍の正体が
麗だと分かった瞬間、
俺は
どうしようもない
罪悪感に襲われる。
なんで、
なんで気づけなかったんだろう。
こんなに近くに居たのに。
"ありがとう"って
そう言いたかった。
…だけど、
どうしようもない
麗への想いが
罪悪感と共に俺を襲う。
麗が海龍だと知った今、
俺の強さじゃ
麗を守れないことを
改めて感じさせられる。
それでも
涙を流しながら
俺に笑顔を向ける麗が、
自分よりも
相手を大切にできる麗が、
暗い過去を持ちながら
精一杯生きる麗が、
どうしようもなく
愛しくて。
強さなんて関係なく、
守りたいと思う。