避けようと思えば
避けれたけど、
面倒くさいことになるのは嫌で
あの時と同じように
素直に叩かれた。
「ふっ、
痛い目見るって
分かってるんだから
これ以上
駿様に近づかないでよっ」
勝ち誇ったような目。
その目に指図されてると思うと
何だかムカついてきて。
「…どうやって見たら、
あたしから近づいてるように
見えるの?」
少し、挑発するように言う。
でも、本当のことだ。
あたしから近づいた覚えはない。
いつだって
駿があたしを強引に
屋上に連れていくんだから。
そんなあたしの言葉に
「…っ、
生意気なこと
言ってんじゃないわよ!」
そう言って出したのは…
「ふふっ、
もっと痛い目見ないと
分からないみたいだから
あなたのその髪、
私が整えてあげる」
手に持っているはさみを
開いたり閉じたりする。