「…先月結成されたばかりの
 族だからな。


 知らないのも無理ない。







 …今ならまだ間に合う。
 


 早いうちに黒龍を潰せ」







さっきまで、
微笑んでいた総長の顔が
急に強張る。



その様子から、
"黒龍"の強さが
どれだけ危険なのかが伝わってくる。







「…分かりました。


 俺ひとりで良いですか?」




「…ああ。


 今の黒龍なら、
 お前ひとりで十分だろう。



 これがお前の最後の仕事だ。


 …頑張れよ」




そう言って、
総長は俺の肩をポンポンと
優しく叩いてくれた。