"気にしないでください"

そう言いたいところだが、
正直今の俺たちじゃ
片付けどころか、
立つことさえ困難。









「…すみません、
 お願いします」



申し訳ない気持ちで
いっぱいだが、
今回はお言葉に
甘えさせてもらうことにした。









俺の言葉に、


「…気にしないで」



そう言って、
…少しだけ笑ってくれた。




フードを被っているうえ、
月明かりだけが頼りの
真っ暗なこの空間。



それでも、

…少しだけ笑ってくれた気がした…---








-駿side end-