…強い…。






目の前で左腕から
血を流す小さな男は、

初めて会った時とは
比べものにならないくらい
大量の殺気を出していて。









「…また助けられちゃったねー…」



「…っ、あの人が…海龍」




いつの間にか俺の傍に居た
遥と優真も
顔が強張っている。












…すると、



「…悠さん、救急箱ありますか?」



こちらにやって来た
海龍は副総長に声をかける。




「ちょっと待ってね」



そう言った副総長は、
少しして救急箱を持って走ってくる。