「そ、そんなこと……」



清水君の言葉が突き刺さる。



ま、まあ小学生のときはボーイッシュな感じだったから、“みさ男”って変なあだ名つけられたことあったけど…。



「どうせ好きな人いるんでしょ?」



ドクン。



……好きな人。



頭に浮かんだのは小学校三年生まで一緒だった男の子。



すぐに顔が赤くなったのが分かり、俯く。



「お、またまた図星だな?」



「…………あいつの事思い出させないでよ…」



「何か言った?」



「別に…何も」



「まあいいけど。俺には関係無いことだし」



「……」



それからあとは、すぐに先生から体育館に行くよう告げられ、話は途切れてしまった。



出来れば思い出したくなかった。



あの人のことを――