「そんなん誰も聞いてないしっ! どーでもいいから!」



するとそこへ、内田先輩が入ってきた。



「まあまあ、美里ちゃ…」



「大体、何で先輩達も混ざってるんですか!」



「……」



私が内田先輩の言葉を遮ったことに、うっ、と内田先輩がショックを受けているよう。



「賭けだよ。 この勝負、皆で300円ずつな」



「賭けって…」



まるで呆れる。



「仲良くなるのはいいですけど、部活の時以外でお願いします」



ため息をつきながら言った。



ほんと、この人たちは…



先輩達が出たあと、もう一度道場の中を見て回り、誰も居ないのを確認すると、自分も道場を出て、外から鍵をかけた。



「よし、帰ろ」



私は自分の家に向かって歩き始めた。