俺は、女子部員がひとり増えていることに気づいた。
しかし、そいつはジャージ姿。
その上、俺はそいつの名前を知っていた。
澤口美里。
幼稚園から小学校4年まで一緒だった奴だ。
何でここに?
あいつ、身体弱いんじゃなかったっけ。
今は休憩中。
澤口を見ながらしばらく考えていた。
「まさかあの子と知り合いだったとはな。驚いただろ?」
「航輝」
同級生の内田航輝だ。
航輝とは中学生になってから知り合った親友。
剣道部の次期キャプテンだ。
「別に驚かねーよ。身体弱い癖に何してんだって思うくらい」
「マネージャーやるんだってよ」
「へぇ… この部活にマネージャーなんかいるかね」
俺は持っていたスポーツドリンクを飲む。