「もうすぐ時間だよ?早く教室行かないと」



沙奈が急かすように言った。



「え〜もうちょっと…」



「ぐずぐずしない!」



もう少し辺りを見回したいと、とどまる私の頭に沙奈が鋭いチョップを入れた。



「いったぁ!!」



そこまで強くしなくてもいいじゃん!



頭を手で押さえながら沙奈を睨む。



しかし、睨んだ先の沙奈は黒い笑みを浮かべていた。



「え?何か言った?」



「いえ…何も言ってません」



……沙奈が黒いオーラを放っているときは反論するのをやめよう。



自分の身が危険だ……。