突然、後ろに引き寄せられ、誰かに抱きしめられた。



私の大好きな腕の温かさ。






「瑠衣っ?!」







「なんだお前?」



「俺、こいつの彼氏。とっとと失せろ。」



瑠衣の低い声チャラ男さんは、逃げて行った。







「瑠衣、ありがとう。」



「可愛い彼女って……複雑。」



瑠衣が何かぼそっと呟いた。




「ん?何か言った?」



「いや、何でもない。」




本人がそう言っているなら、深く追求はしない。




………前にも似たようなことがあった気がする。





「美幸。」



名前を呼ばれ、顔を上げると



チュッ



「めっちゃ可愛い。」





キスと眩しいくらいの笑顔。





「あ…ありがとう。」



きっと私は顔が真っ赤になっていると思う。