「はぁっ、はぁっ」

教室のドアの前まで行くと
息を整える。

「…んうっ」

そしていつもみたいに
吐き気が襲う。

「だめだっ、いくんだ」

あたしは自分に言い聞かせるように
頬を叩いて丸まった姿勢を起こす。

「…はぁっ」

ガラァッ!

「…っ!」

さっきまで騒がしかった教室が
静まり返る。

「きたよ、桂木さん」

教室にいる生徒の視線が
一気にあたしに集まる。