「ちょ、落ち着け!
待てよ!」


…あっという間にマフィンと袋を奪われ。

異常な速さでマフィンは賢斗の袋の中に入ってしまった。


残 念 失 敗 。


「あのなぁ…
好きな人から貰ったものなんだから、俺にゆっくり味わって食べる権利くらいあるだろ?

大丈夫。
彼氏との仲を壊す気はないから。」


…そんな風に思ってくれるのは嬉しいけど。

とっても複雑なんですが。

「じゃあな。」


そうして、手をひらひら~っと振りながら賢斗は行ってしまった。



行っちゃった。


『何か言うことないの?』

悪魔さんが言う。


『賢斗がいい人で、あなた思いでよかったじゃない。』