「俺さ、時々鳥が羨ましくなるんだ。」
目を閉じたまま話し出す亮我。
あたしは亮我の目をみつめた。
「鳥ってさ、自由に空を飛んでるだろ?俺もある意味自由。だって思ってたんだけどさ・・俺は自由なように見えて孤独だったんだよな。鳥は親から愛されて巣立つけど俺は親から見離されて巣立たなきゃいけなくて・・。」
そう話す亮我の声はなんだか小さかった。
なんだか亮我の弱いところを見た気がする。
亮我には色々辛いことがある。
特に家庭では。
いつも家では独り。
あたしと悠樹が遊びに行っていない時はずっと独りなんだ。
あたし・・。
亮我を守りたいよ。
亮我を孤独になんてしたくない。
亮我だけは傷つけたくない。