やっぱりと言うか、まっきーはキョトンとしていた。



「えっ何?どう言うこと?」



まっきーは眼鏡(正しくは老眼鏡)のつるを押さえながら自分の持っていた紙をじっくりと見る。


しばらくして、



「本当だ。荒川さんの名前載ってないね」



と言った。



「そうじゃなくて!すぅは何組なの?3組?」



芽衣が地団駄を踏み出しそうな勢いで言う。
そういえば、芽衣はまっきーのペースがあまり好きではないらしい。


まっきーは腕を組んで、少しして口を開いた。



「多分、荒川さんは1組だったと思う。三年間1組の1番だと思って印象に残ってるもん」



確かに私は一年生のときから1組で、しかもいつも1番だ。
でも、また1組か……。


しかし、私がそれを口に出す前に芽衣が口を開いた。



「それ信用できんの?最近ボケてきたのか物忘れが激しいってこの間言ってたじゃん!」


「俺そんな事言ったっけ?」


「あー、言ってた言ってた」


「やっぱり物忘れ激しいじゃん」



うーん、とまっきーは頭を掻いた。
なんだか信用出来なくなってきた。



「まっきー本当にそうなの?」



芽衣が言う。
……いつの間にか話の主導権を奪われている。