その笑いがおさまった時には、私はすでにいつもの自分を取り戻していた。
だから、



「同じクラスだねー」



とやってきた私はあまり話した事のない芽衣の友達にも、



「ねえねえねえ聞いてー。うちの名前載ってない!」



と話し掛ける事も出来た。



「あ、本当だ!ひどいね」


「本当だよねー。ちょっとうち先生に文句言ってくる。」


「行きな行きな!誤らせちゃえ!」


「うん。土下座してもらうー」



そんな事を話ながら、あんまり話したことけど面白い子だな、と私は思った。


と、その時、ちょうどよく芽衣が紙を配っている牧野先生を見つけ、



「ねえまっきー!すぅの名前載ってないよ!」



とひときわ大きな声で呼んだ。




「ちょっと芽衣声がデカイ!」


「だってみんなガヤガヤしてて聞こえないかもしれないし~」


「芽衣なら絶対聞こえるよ!」


「声よく通るじゃん!」



笑ったり喋ったりしながら、私たちは立ち止まり首をひねるまっきーの所にいく。


まっきーは私達の理科の先生で確か陸上部の顧問。
年齢はおじさんとおじいさんの中間くらい。
禿げ上がった後頭部が目に痛い。


それに……学校全体の主任だった気がする。
なるほど芽衣はいい人を呼んだようだ。
多分本人はそんなに深く考えてないだろうけど。