「面倒くさいのはあたしも同じだから。で、どっち?」


「うーん……。朝井よろしく」


「え、完璧面倒なだけでしょ」


「だってお前も行けんだろー」



相内はそう話を切り上げてさっさと行ってしまった。


結局私が行くことになっちゃったけど、

……よかったー……。

今回はまともに話せた……。


一人安心してホッとため息をつく私に、それまで黙って見ていたすぅが寄ってきた。

しまった、すぅのこと忘れてた。



「今のなんて人?」


「相内奏人って人」


「相内……話したことないな」



……どうやらすぅも相内が転校生だったことを知らないらしい。
話したことないのは当然ではないか?



「どこの小学校出身?」



大真面目に聞いてくるのがさらに可笑しくて私は半分笑いながら



「埼玉の方だって」



と答えた。



「埼玉……。……埼玉!?」


「うん。相内って転校生だよ」



もう我慢できなくなって、私は腹を抱えて大笑いした。



「……なんだー。びっくりしたー」



少しして、半ば放心したようにすぅが言った。
私はさらに笑う。



「ちょっと芽衣笑いすぎ」



そんな私に、少し怒りながらすぅが言う。

だって面白いんだもん。