「いらっしゃいませお嬢様。
ご注文は?」
「え!?あ、えっと、じゃぁコーヒー二つで!!」
「かしこまりました」
ニコッと笑って去って行く執事さんを見ながらポケーッとしていると
「…おい、大丈夫か?」
目の前で関口が顔をひきつらせた。
「何で一発目がよりによって執事喫茶なんだよ」
「いいじゃん!来たかったんだもん!
次メイド喫茶行くんだからいいでしょ?」
「いや別に行きたいとか言ってねーよ」
そしてはぁ、と深いため息をつく。
「なんだよ岡。あーゆーのが好みなワケ?」
「いや?好みっていうか…憧れ?」
「なんだそれ」
その時さっきの執事さんがコーヒーを運んできた。
「お待たせ致しました、コーヒーでございます」
「ありがとうございます!」
お礼を言うあたしに、ニコッと上品な執事スマイルが炸裂。
顔はそんなでもないのに(失礼)執事服を着てるだけで格好よく見えるのは何でだろう…
「はやく飲まないと冷めるぞ!?」
珍しくイライラしてる関口が、グイッとコーヒー(HOT)を飲んでむせていた。
「あっっつ!!!」
「でしょーね」