その二日後の朝。





「ーーーたいへんたいへん、群雲!!」





騒がしい声で、群雲は目を覚ました。





「………なにごとだ?」





硬い黒髪を掻き上げ、無精髭をさすりながら身を起こす。





洞穴を出てみると、そこには涙目になった小桃がいた。





「………小桃?


どうしたんだ、朝っぱらから………」





小桃は群雲に縋りついた。





「あっ、灯が………」




「………なに? 灯がどうした」





群雲は眉を曇らせた。




小桃が今にも泣き出しそうな声で叫ぶ。





「………灯がいなくなっちゃった!」




「…………はぁ?」





群雲は脱力した。