6月。
初めて電話をした。

声はガラガラで低音。
滑舌もわるく、気持ち悪かった。
でも演技をつとめる。
『好きな人の声だから好き』
毒舌混じりで。

でも相手は気づかない。


7月、私は友達を2人連れて電車に乗った。
はるさんに、会いに行くためだ。
私は乗り気じゃない。
まさかリアルの彼女になるなんて。
年の差16歳。
有り得ない。

電車で1時間くらい揺られてから降りる。
無人駅で、1人の男が手をあげた。
ここだよ、と言いたかったのか。
写メとは全然違って、ブサイク。
私は他の人だろうと思い周りを見た。

でもそこには1人だけ。
友達も迷うことなくその人のところへ行く。
私も遅れないように後ろに続いた。