後少しで宿場町だわ。

夕暮れが近づいてきた街道を歩いていたエリーシャは足を早める。

エリーシャ!近くから誰かの気配がする。

エリーシャに若の声が聞こえた。

と、そのとき、街道沿いのけものみちから真っ赤な髪に赤のペレー帽の少年が降りてくる。

カイだわ。

「エリーシャ!君に手紙を預かってきたんだ」

カイはチュニックの胸元から手紙を出してエリーシャに渡す。
エリーシャ!私たちに置き手紙一つで旅だってしまうなんてひどいじゃない。それに大魔法使いがいるとはいえ、苦笑、女の一人旅は危険よ!なので相談の結果、カイをお供につけるわ。じゃあ、気をつけてね。

ナリーナ、エリエン

「カイ!ありがとう。でも、いつ私と同じ名前の子が見つかるかわからないわよ」

「それでもいいんだ。オレ、リーダーだし!」

「ホントにありがとう。そろそろ宿場町に入らないと日が暮れるわ」

「じゃ行こうか?」
「はい」

二人と一匹は夕暮れの街道を宿場町へ足を進める。

これからどんな困難がふりかかるかもしらずに。