エリーシャはカイに向き合う。

「オレの両親はパン屋なんだ。朝から晩までパン作りで小さかったオレと兄さんは朝から晩まで木刀ごっこ。オレより6つ上の兄さんが断然強くて冒険者になってオレも続けと冒険者になったんだ。ちなみに兄さんは元気に冒険者をやって、今は、エレン教官のように冒険者を教えている」

「ステキな両親に兄さんね」

「ごく普通の両親だよ」

カイは照れて頭をかいた。

と、そこに漆黒の衣装に覆面の男たちが、4、5人現れた。

カイが1人の男に体当たりをかました。

今日は人気のない城下町の外れの空き地だから叫んでもダメだ!それより、爪があれば、オレ1人でもやっけられるんだが……セットする時間はない。


カイが次の男に脚げりをしている間に、エリーシャが2人の男に押さえられて肩に担がれていってしまった。

「エリーシャーー!!」