それから、数ヶ月、エリーシャたちは、カイやナリーナ、エリエン、エレン教官との稽古に明け暮れていた。

もちろん、エリーシャは若とのへんげの練習もあったが。


「ファイアートルネード」

エリーシャは杖を高くかかげ唱えた。

エリーシャの杖から赤い炎が飛び出して回転していきトルネードになりカイに向かっていった。

カイは鋭い爪でトルネードをエリーシャの方へ弾き返す。

「トルネードゴーアウト、イペリアルエフェクト!」

エリーシャはトルネードを取り消し次の呪文を唱えた。

金銀の槍先がカイの頭上に現れ、迫っていく。

カイは、爪を引っ込めて、鉄拳で頭を守る。

「インペリアルエフェクトゴーアウト、カイ休憩にしましょうよ」

カイの頭上の金銀の槍が消える。

「いいよ」

2人は腰を下ろし背嚢から飲み物を取り出した。

カイは水を一気にあおり

「エリーシャ、呪文の詠唱がすばやくなったな。明日の上級試験も大丈夫だ」

「だといいけど……」

「どうした?」

「カイ、初めてインペリアルエフェクトを使った時のこと覚えてる?」