あれからカイとクマタカから伝書鳩で洞穴から一番近い宿屋の一室に呼び出された（また山賊が来るかも知れないため）エリーシャたちはひと息ついてるところだ。

「ところで異世界って何？」

長いすでくつろいでいるエリーシャが隣の若に聞いた。


その言葉通り異なる世界だよ。何百とあるらしい」

「それよりどうやって幽霊船を見つけるかだよ。もう一人のエリーシャを見たあと今度は異世界を超える幽霊船ってことは異世界にもう一人のエリーシャがいるってことじゃないかなぁ？」

カイが窓際を行ったり来たりしながら言う。

「幽霊船がこっちの世界にいるかどうかわからないじゃないか！リーナはどう思う？」

クマタカが赤々と燃えている暖炉の前の揺り椅子から口を挟む。

「私はわからないです。まだ子供だし……。お腹もすいてきたのでいったん休憩にして早めの夕ご飯にしません？」

「じゃあ、そうしよう。みんないいね？」クマタカはみんなに同意を求め、めいめい同意を返した。