「よし!かわいこちゃんたちは荷と剣を集めといて」

翼人はナイフをしまうと今後は頭をはがいじめするかのように見えた。

バサバサバサー

山賊の頭と翼人は空高く舞い上がって行く。

それを逃げ出したはずの山賊たちが追いかけていく。

「山賊のものとはいえ一応、荷と剣を集めて置くか」
とカイがエリーシャに声をかける。

「ええ」


しばらくするとララミーの民という男が翼をはためかせて帰ってきた。

翼人はカイとエリーシャが集めた山賊の荷をより分けはじめる。

「何をしている」

カイが苛立ちを抑えた声を出して聞く。

「もちろん、金目のものを物色してるのさ。山賊のものはもともと誰かのものが多い。誰のものがわからないから俺のものにする」

「それって……」

エリーシャが口をはさむ。

「泥棒だ!」

カイが吐き捨てるように大声で言った。