「……それで、手がかりはエリーシャだけなんだな?」

カイはエリー酒を飲み干し、酒場の店員を呼びとめてもう一杯注文した。

冒険者をはじめとする職業を持つ者は若くても酒を飲むことができる。

カイとエリーシャは宿場町に入り、宿屋の隣の酒場で夕食を食べている。

「そうなの。でも、ずっと寝ていた間、夢をみていたの。内容はよく覚えてないけど、カイと同じ赤毛をツインテールにしてた子を見た。多分エリーシャだと思うそれだけははっきりしてて……」

エリーシャは食事を終えてエリー酒に手を伸ばす。

「そうだ!エリーシャの故郷はどこだ?」


「わたしの故郷はすごく遠いわよ。山脈の麓なの。ところでなぜ?」

「故郷でエリーシャって子がもう一人、生まれてないか調べてみる!」