私、恋愛初心者なんですが。



どうかした?

と、璃子が聞くと


「ちょっと寄っていい?」

三浦南朋が公園を見ながらそう言った


そして公園に入ると
“ちょい待ってて”と璃子に言ったので
ベンチへ腰かけていると

ん、と座っている璃子の顔の前にアイスココアの缶を差し出す


ありがと、と璃子が受けとると三浦南朋は隣に座り前を向いたまま言った


「……あのさ、今日助かった。」

その言葉に“え?”となる璃子の方を向き
三浦南朋は続ける





「……俺、あのままじゃ本当にやばかったと思う。
でも誰かさんが周りを気にしないで激励の言葉叫んでくれたおかげで逆にこっちが冷静になれた」

ははっと思い出して笑う三浦南朋に


少し恥ずかしくなった璃子は

「まったく、あの時は負けちゃうかと思ったんだからね!

……でも良かった、お疲れ様」


へへ、と笑みを浮かべてそう言った


すると三浦南朋は一瞬切なそうに眉を寄せ
座ったままの体制で璃子を抱き締める



何が起こったのかわからずに
三浦南朋?と、問いかけると


「あー…だめだ。俺……
これで最後にするから。」

とぐっと抱き締める腕に力を入れ、
璃子の耳元で囁く


その言葉に璃子は胸がズキッと痛み


最後にする、なんて言われ
悲しくて涙が溢れてきた







「……っ何が最後よ!
散々人にキスしといてっ……

散々、好きにさせといてっ……」


段々ムカムカとしてきたので
抱きしめられながらそう言うと

三浦南朋は璃子の両肩を掴んで体を離し



「……は?」

と璃子を見て固まる





つい勢い余って“好き”と言ってしまった事に
そこで気付いたが
どうせ振られるんだからどうとでもなれ、と

「……だから好きなの!
好きになっちゃったの!三浦南朋が!」


と自棄になって言い、ギュッと目を閉じた


“さぁ、振るなら早く振ってくれ”

なんて思っていると


「……こないだの朝のアイツは…?」

と予想外の事を口にするので
“え?”と目を開けると


三浦南朋が依然として璃子の肩を掴みながら
真剣な目を向けている






そういえば……

「……こないだも言ってたけど…
朝のアイツって何のこと?」

と聞くと三浦南朋はむすっとした顔で


“朝、学校までチャリで送ってもらってただろ”

とボソッと言い、璃子の肩を離す


そこで璃子はようやく“朝のアイツ”を理解して



「……あぁっ!それ、弟の淳平」

と閃いたように言うと


「……はあぁぁ?!」

と言い、ベンチから立ち上がり
座っている璃子の真正面からまた両肩を掴む






「……弟?」

との問いにキョトンとしながら璃子が頷くと


三浦南朋は勢いよくしゃがみこみ頭を抱えながら

“っんだよ、あれジュンだったのかよ”

と言い、はーっと溜め息を吐く



そんな三浦南朋を頭に?を浮かべながら
見ていると

突然立ち上がり手を掴んで
璃子を立ち上がらせる



そして手を握ったまま璃子を見て


「…本当は俺から言いたかったんだけど…

……ずっと好きだった。
俺と付き合ってください。」


としっかりとこっちを見据えながら言った



すっかり暗くなり街灯の逆光になっている三浦南朋を見上げると耳が赤くなっているのがわかり、璃子はどうしようもなくキュンとした


そして

「……はい。
でも……色々順番おかしいけど……」

と照れ隠しでブスッとしながら言い、

“確かにな”と笑うずっと触れてみたかった三浦南朋のふわふわ頭を背伸びして触る



下唇を噛んで視線をそらし、照れ臭そうに触られている三浦南朋に、ふふっと笑顔を向けると

一瞬驚いた顔をして次の瞬間
三浦南朋は顔を赤くした


そして璃子を抱き締め

“あぁ、もうお前は何でいっつも俺を……”

と言った


?を浮かべていると体を離して
腰を屈めて顔を近付けてくる三浦南朋



「……キスしたいんだけど…」

と少し赤い顔の上目遣いで言われ璃子は頷く事しか出来なかった

私、恋愛初心者なんですが。

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