今でも彼との出会いは不思議で、それはまるで決められていた運命なのかもしれないと思いました。


彼との出会いは去年の4月でした。

私は38歳。旦那と二人暮らしです。在宅で自分の遊ぶだけのお小遣いを稼げればとデータ入力の仕事をしています。

旦那との仲はそれほど悪くないと思います。

月に一度、性交渉もありセックスにも不満はありません。

在宅での仕事は気分転換にネットでSNSをしながらしています。

今日もデータ入力に一区切りがついた頃、SNSを眺めていました。

その日食べたお昼ごはんを日記に上げていたにコメントがついていたのです。
= こんにちは。今日のお昼ご飯、おいしそうですね 、お店はどこですか?食べて見たいです。 =

初めてコメントを貰った方なので、丁寧にお答えしました。

しばらくすると返事があったのですがどうやら住んでる地域が違うようでした。

またしばらく仕事をして今日の分を終わらせました。
いつもならこのまま洗濯物を取り入れたりするのですが、その日はなぜか気になりSNSをみたのです。メッセージが1件届いていました。

先ほどお昼ご飯にコメントをくれた彼です。

= 先ほどはありがとうございました。実は近くに居ます。他の人に見えるところでは違う地域を装っていますが…。今度近くまで行った時に食べてみます。=

= そうだったんですね!食べたら感想お願いします。楽しみにしています。=

社交辞令で返事をして、私はしばらくこのことを忘れていたのでした。


しばらくしてから、またメッセージが入っていました。

彼からです。

教えて貰った店に食べに行って、美味しかったことや、場所を間違えて覚えて居て、迷ったことなどかいてありました。

他にも美味しいお店があれば教えて欲しいということでしたが、あまり外食することがない私は1軒だけ教えることで、お返事を終えました。そんな彼とのやりとりから1ヶ月ほど経った頃、SNSで緊縛の写真を見る機会がありました。

綺麗に縄で縛られ乱れる女性の写真を見て衝撃を受け、感動してしまいました。

その時の思いを残しておきたくて、私は気持ちを書き記したのです。

その書き込みをたまたま見た彼がまたメッセージをくれました。

=今、ご主人様はいますか?=
なぜか正直にいません。と返事していました。

緊縛に興味を持ち始めていた私は、彼と会う日を決めていました。

普段なら男性と会うというのはどうかと思い断るのですが、この時は興味のほうが勝ってしまったんだと思います。


4月24日。

彼との初めて会う日です。
18:30
ホテルのカフェラウンジでお話しましょう。僕は今のスーツで一番奥の席に座っています。

メッセージを携帯で確認しながら彼を探しました。

一番奥の席に、スーツを着た男性が座っていました。

「遅くなってすいません。絢子です。」

キリッとした顔立ちにシルバーの眼鏡がよく似合う方でした。

「どうぞ、おかけになってください。なにを飲まれますか?」

緊張しているわたしを気遣って、はにかみながらメニューを渡してくれました。



「紅茶を」と彼に伝え、注文していただきました。

紅茶が運ばれてきてから、彼の自己紹介が始まりました。

彼は小さい会社をしている経営者で、3年ぐらいパートナーが居ないことや、昔、SMのお店で働いてたこと。その時に緊縛を覚えたことなど、少し照れながら話していました。

それから、私になぜ緊縛に興味をもったのか。怖くないのか。など質問をされました。

カフェラウンジで1時間ぐらいお話して、緊張もほぐれてきた頃、彼から、

「今から、緊縛体験してみませんか?」
とお誘いをうけました。旦那には友達と会うので遅くなるかもとは伝えてきてますが、流石に会ったその日にホテルに入って緊縛というのには悩みました。

5分ぐらい悩んでいました。

彼も無理はしなくていいと言ってくれたのですが、好奇心が勝ってしまい、ホテルに行くことにしました。
タクシーに乗り、ホテル街へとむかいました。

タクシーを降り、彼についてホテルに入ります。

部屋に入り、荷物を起きます。
彼はカバンから縄を取り出しました。
私は緊張してどうしていいかわからず、とりあえずその場に立っていました。

「全部脱いでごらん」

彼がソファに腰掛けたまま、私を見つめていいました。「はい」

彼の瞳の奥が怪しく光ったきがしました。

不思議と彼の言葉に従わなければいけない気がしまた。

一枚、一枚脱いでいきます。
下着だけになると恥ずかしくなり、手が止まってしまいました。

彼に背を向け、恥ずかしい気持ちと戦っていると、

「全部脱いで」

と言われてしまいました。
彼の声は怒っているわけではなく、何も感情を入れない感じでした。ブラジャーをとり、パンティを脱ぎます。

「手を横にして、きをつけをして立ってごらん」

言われたままその場で気をつけをしました。

恥ずかしいので、どうしても視線はそらしてしまい、俯いてしまいます。

彼が少し離れたところから私の体を眺めています。
足の先から頭まで、じっくりと美術品でも観察するかのようにゆっくりと見ているのがわかります。

隠したい衝動を我慢していると、彼が近づいてきました。

顎に手をかけられ顔を上に向けると、激しく口付けをされました。