カラカララン


独特のドアを開いた時になる音で私の意識はムニエルからドアに移る


「七瀬七瀬っ!こっち空いてるから!!」

「ん?ああ、今行く」


あのガラス玉みたいな声と、いつも教室に響いてる活気のある声が
外のテラスにも聞こえた


「あ、今井じゃん」


湊も顔をあげて活気のある声の持ち主、今井淳(ジュン) に声をかけた



「おお、逢沢か」

はにかみながら言う今井君はきっと湊が好き

「よっ、さくらもいんだ?」

今井君はさくらを名字だと勘違いしたまんまいたから
実波って呼ぶのに慣れんって言って今でもさくらって呼ぶ

「湊だけが良かったの?」

意地悪く聞いてみるけど今井君のポーカーフェイスにはちっとも損傷しない


「違うよ」


ほらね?

でもなんとなく分かる

今井君は湊がスキ


もちろん私が湊を好きの好きじゃないほうのスキがあふれでてる


「俺らも一緒に良い?

こっちあんま人いなくて先輩ばっかだしさ」

「別に良いけど・・・・・・
ね、さくら」

「もちろんだよ」

「じゃあ一緒に食べよっか

七瀬ーっこっちこっち!
逢沢たちと食べよ」

「え?ああ」


ガラス玉の声が再び私の中に響いて

茶色がかった髪が綺麗だと思う