「おい。」

さっきと違って強く言われて伏せていた顔を
勢いよく上げた。

「え……?」

「なんか頼まないのかよ。」

「あ…えっと…」

私があたふたしていると

「子供だしオレンジジュースがいいか?」

男の人にニヤニヤしながら言われた。

子供と言われたことへの怒りと恥ずかしさで

「い、いいえ!
えっと…コーヒーで…お願いします…」

と、とっさに言ってしまった。

「ふーん。砂糖は?」

「あ、お願いします。」

からかわれると思っていたので少しびっくりした。

「はい。」

「ありがとうございます…」

出されたコーヒーはいい匂いがした。

「いただきます。

……わ、すごい美味しい。」

本当に美味しくて思わず声に出してしまった。

「だろ?
俺の自信作だし。」

さっきのニヤついた顔と違って
素直に私の言葉を受け取り喜びに満ちている笑顔を私に向けた。

「…ッ///」

「ん?顔赤いぞ?」

と、すべてを悟ったかのような顔をして
またニヤニヤしながら言われた。

「あ、赤くないです!」

「んー、ぢゃあ熱か?」

そう言って私に近づいて手のひらを私の頬にあてた。