でも、あんまり興味は…ないなぁ。


「興味ない?だけど、表紙と挿し絵を描いてるのは『Todesnotiz』を描いた漫画家さんだよ」


言われて見れば、確かにイラストが流麗で有名な漫画家さんが描いたものだった。


それに、『Todesnotiz』は一時期私もハマってて、コミックスは全巻集めたしなぁ。



「どう?少しは興味が沸いてきた?」

「そう……ですね。イラストに」


秦野君は、ぷっと吹き出して「予想に違わぬ反応だね」と呟いて、階段を降りていった。



……まぁいいけど。


今日は漫画も同人誌も読む気にはならないし、ネットで誰かと繋がりたいとも思っていない。


むしろ、無心になって、嫌なことを忘れたい気分だよ。



秦野君から借りた『女生徒』を手にして、再びベッドに転がった。



最初はイラストだけをじっくり見ていたけど、小説を読んでも良いかなーって気になって、パラパラとページを捲り始める。





読了後は、暫く放心したように天井を見上げた。